ありきたりだけど、僕とカノジョとの馴れ初めは、大学1年の時、同級生4人で忘年会をした時のことだった。
入学した当初、僕はコウタとよく遊んでいたのだが、暫くするとコウタとユキが付き合うようになり、ユキの友達だったレイコを交えた4人で行動することが多くなっていた。
レイコは背がスラリと高く、ストレートで長い髪が綺麗な女の子だった。
僕はレイコよりも背が高かったので、最初は気づかなかったが、レイコは、実は自分の背が高いのを気にしていて、猫背で歩く癖がついていた。
「ほら、しゃんと背中を伸ばして歩きなよ」
僕がそういう度に、レイコは少しだけ照れるように笑って、グッと胸を反らせて見せると、細い身体なのに豊かな胸が目立って、ちょっとドキッとした。
その日もコウタの下宿にユキとレイコと僕で、酒の肴を持ち寄って集まり、炬燵を囲んで借りてきたDVDを見たりして飲んでいたのだけれど、遅くなったのでそのまま泊まることになった。
コウタとユキは、もう公認の仲だったので、2人はコウタの部屋で寝ることになり、僕とレイコは襖1枚を隔てたダイニングキッチンに布団を敷いてもらって眠ることになった。
布団は一組しかなく、僕とレイコは譲り合うようにお互いに背を向け、布団の端と端に身を横たえて、息を殺して眠りにつこうとしていた。
背後で寝ているレイコに全神経を尖らせて気配を窺うと、レイコもまた寝つけずにいるようだったので、僕は思い切ってレイコの方に身体を向けて、そっと後ろからレイコに片腕を回してみた。
心臓がバクバクしてのぼせそうになったが、暫くそうしていると、少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
その間、僕の手はレイコの柔らかな乳房に触れていたのだけれど、彼女は身動ぎ1つせずにいたので、今度はレイコの首と枕の間からもう片方の腕を挿し込んで、背中から両腕でレイコの細い身体を抱き締めた。
再び心臓の鼓動は高まったが、そのままそっと薄手のセーターの上から胸に手をやると、レイコは僕の手に自分の手を重ねてきた。
暫くレイコの胸の膨らみを撫でていたが、僕は肘をついて少し上体を起こし、レイコの身体を上向きにさせて、そっと唇を重ねてみた。
すると、今度はレイコの方から抱きついてきたので、ゆっくりとセーターの裾から手を入れて、背中に手を回してブラジャーのホックを外すと、そのまま手を滑らせて乳房を優しく掌で包むと乳首を指に挟んだ。
やがて、僕は思い切って着ているものを全て脱ぎ去って、レイコに万歳をさせてセーターを脱がせると、ブラの肩紐を腕から抜いて、細身の身体の割に決して小さくない胸に顔を埋めた。
最初は柔らかかった乳首が、吸っているうちに硬く勃ち上がり、舌で転がすとレイコが「んっ」と小さな喘ぎ声を出したので、その薄い唇に舌を挿し込みながらスカートの中に手を入れ、ショーツの上から少し盛り上がった丘を手の平で包むようにした。
すると、レイコはビクッと身体を強張らせて、僕の手首を掴み、イヤイヤをするように首を横に振った。
僕はそのまま手首を返し、レイコの手をそっと掴むとゆっくりと僕の怒張した下半身に導いて、少しずつレイコに触れさせていった。
レイコは恐る恐る脈打つ僕をそっと手の平で包み、その硬さを確かめるように少し力を入れたり緩めたりし始めた。
僕は興奮のあまりそれだけで出そうになってしまったが、一旦レイコの手を離し、今度は腰の後ろに手を回して一気にお尻の方からショーツを脱がそうとした時、レイコは少し腰を浮かせて協力してくれた。
そのままレイコにシックスナインの形で覆いかぶさり、股間に顔を埋めようとすると、レイコは再び足を堅く閉じて抵抗しようとした。
「わたし、シャワー浴びてない・・・」
小声でそう訴えてきたが、僕はそのままレイコの足を優しく広げ、亀裂に舌を這わせ始めた。
「ううっ」
レイコがくぐもった声を上げ、身を任せる決心をしたのが判ったので、丹念に丹念に舌を割れ目に沿って上下させ、突起の周辺に舌を這わせると、レイコの息が荒くなってきたので、僕は自分のものをレイコの唇に少し押し当ててみた。
レイコは素直に口を開き、そのまま僕を受け入れて、喉の奥まで僕を呑み込んだ。
不慣れな舌使いにちょっと感激しつつも、レイコの口に自分のものをゆっくりと出し入れして、同時にレイコの陰核にも舌を這わせて、レイコが十分に高まったのを見届けると、身体を入れ替えてレイコの細く長い足を両脇に抱えた。
今度は一気に奥まで侵入を果たした。
「ひっ!」と声が漏れ、レイコが下から強くしがみ付いてきたので、僕はレイコに入ったまま覆い被さった状態で、そのまま動かずに姿勢を保った。
徐々にレイコの腕の力が抜けているのがわかった。
少し身体を離してレイコの顔を覗き込んでみると、目尻から涙が流れ落ちていた。
「痛かった?」
レイコの耳に囁くようにして訊くと、レイコは一度だけ少し首を縦に振ったので、「やめようか?」と言うと、レイコは少し微笑んで、今度はゆっくり首を左右に振った。
ゆっくり、ゆっくりと動き始めると、レイコの眉間に再び皺が寄ったが、僕はどんどん気持ち良くなってしまって、動きを速めると、そのままレイコの中に全てを放出した。
性欲から解き放たれ、少し気持ちが落ち着きかけたとき、レイコが耳元で囁くように言った。
「ありがとう」
レイコから流れ出る少しピンク色に染まった白濁液をティッシュで拭い、少しベタつく手を流しで洗って、再びレイコに添い寝をするように横になって抱き締めると、レイコは声を押し殺して泣き出した。
僕は、ちょっと驚いて、子供をあやすように軽くポンポンと背中に手をやったり、擦ったりしていると、「ごめん・・・、嬉しかったの・・・」と小声で言ってきたので、僕の気持ちはレイコに一気に傾いた。
朝起きて、2人でコウタの下宿を出ようとした時、ユキがレイコに視線だけで頷いて、胸の前で指の先だけの小刻みな拍手を送っているのが見えた。
レイコは彼女ぶったような素振りを一切見せず、それでいて、僕が誘うと嬉しそうに食事でもホテルでもついてくる。
僕がベッドの中でレイコにしてあげることを、レイコはそのまま後で僕にしてくれるので、レイコの性技は瞬く間に上達していった。
フェラのあまりの気持ち良さに、喉の奥で漏らしてしまうと、レイコはそのままごっくんしてくれて、僕の目を見ながら、ちょっと恥ずかしそうに、「飲んじゃった・・・」と言った。
レイコに『好きだ』と言わせたくて僕はあれこれ試し、レイコを何度も何度も絶頂に誘い、時には失神するほど昇天させて、意識が朦朧としているところで、問いかける。
「僕のこと、好き?」
レイコは、いつも僕に抱きついてきて、「大好き!もう、シュンなしで、生きていけない・・・」と言って耳の後ろや首筋に唇を押し当てると、甘えてくる。
レイコはもう僕にぞっこんだ。
そう思い込んでいたのだけれど、講義を受けていても、家でテレビを見ていても、気がつくとレイコのことばかりを考えている自分がいた。
一度だけ、レイコから買い物に付き合って欲しいとせがまれて、散々勿体をつけてから一緒に出掛けてみたら、メンズコーナーばかり回っていて、時折ハンガーに掛かった服を僕の背中に当ててみたりするだけだ。
「レイコは、欲しいものないの?」
そう尋ねると、レイコはハニカミながらも飛び切りの笑顔で僕に腕を組んできて、耳の後ろから小声で答えた。
「もう、持ってるの」
僕はレイコの腕を掴むと、ビルの人気のないところに誘うと、思いっきり抱き締めた。
「ああ、いつものレイコの匂いだ・・・」
「シュン・・・、恥ずかしいよぉ・・・」
そう言いながらも、レイコはいつまでも僕の腕の中に身を委ねていた。
したい盛りの僕にはちょっと苦行だったけど、倦怠期を迎えないようにエッチは週一に控え、レイコのコンディションにも注意を払うようになって、それまでは何でも僕が決めていたのだけれど、どこかへ出かける時もレイコの希望を聞くようになった。
「あれ、面白いね?」
そう問いかけても、レイコは、「え?どれ?」と聞き返すことがよくあるので、本当に楽しんでいるのかどうか心配になってきたのだ。
そんなことが重なってレイコを注意深く見ていると、どこへ行っても何をしていても、レイコは僕の方ばかりを見ているのだと気が付いた。
目が合いそうになると、フッと目を逸らしたりするのだけれど、目が合うと、彼女は嬉しそうに、ふふっと笑う。
レイコは最初から、お釈迦様が孫悟空を掌の上で遊ばせるように、僕に好きなことをさせていたのだと気付いた時、僕はもうどっぷりとレイコにハマっていた。
最初は、僕が主導権を握っているのだとばかり思っていた。
コウタがユキの尻に敷かれているのを見て、「可哀想だなぁ」なんて思っていた。
僕とレイコは違う。
レイコの希望も聞くけれど、最終的に2人の事を決めるのは、僕だ。
「週末、どこに遊びに行く?」
「シュンの行きたいとこ」
「この間は、僕の行きたいところだったから、レイコの行きたいとこ、言ってよ」
「・・・あの、ディズニーランド・・・」
僕が、「えっ?」という顔をしたら、レイコはすぐに、「えへ、ちょっと言ってみただけ。シュンの好きなとこにしよ」と言い出す。
「ちょっと待って。でもレイコ、そう言うとこ好きだっけ?」
レイコは頭を振ると、
「ホントはそれほどでもないんだけど、好きな人ができたら行ってみたいと思ってただけ・・・」
「ディズニーランド、上等じゃないの。一緒に行こうじゃないの」
僕は即断すると、土曜日の約束をした。
東京駅で待ち合わせの場所に行ってみると、レイコはもう待っていた。
背が高いから遠くからでも目立つので、便利だ。
「待った?」
「ううん、私も来たとこ」
でも、僕はそれがウソだと知っている。
レイコは、僕との待ち合わせに遅れた事がない。
遅れないどころか、僕が15分くらい前に着いた時、レイコはもう待っていた。
僕はレイコの荷物を持ってやると、武蔵野線のホームを目指して歩き始めた。
「何が入ってるの?」
僕はレイコの荷物を揺らして見せて聞いた。
「あんまり、揺らさないで!」
レイコが慌てていうので、僕が立ち止まると、「ごめん、後で見せるから揺らさないで・・・」と遠慮がちに言った。
着いてみると凄い人出で、途端に僕は憂鬱になった。
散々待たされた挙句、ようやく1つのアトラクションに乗ると、僕はちょっとげんなりした。
「ちょっと早いけど、お昼にする?」
レイコの誘いに僕は二つ返事で賛同すると、手頃なレストランがないか周りを見渡した。
「食べるものは持ってきてるから」
レイコはニッと笑うと、荷物を指差して見せた。
袋を開いて次々とタッパを取り出すと、手の込んだピクニックランチがどっさり出てきた。
「凄い!レイコ、料理上手なんだ」
そう言うと、レイコはとても嬉しそうな顔をした後、ちょっと照れて舌をチロッと出して見せた。
レイコのお弁当は本当に美味しくて、バクバク食っているうちに、こういう女を嫁さんにするのがいいのかなぁなんて思ったりした。
「それにしても、凄い人だね」
「うん、シュンとこの人混みの風景の一部になりたかったんだ」
「人混みいいじゃない。風景になろうじゃないの」
僕とレイコは夜の花火が終わるまで、人混みの中を散策し続けた。
帰りの電車の中、僕とレイコは隣通しに座ってしっかり腕組みをしたままうつらうつらしていた。
東京駅が近くなったところで、レイコに聞いた。
「ウチ、来る?」
レイコは暫く考えていたが、僕の方を見て小さく頷いた。
電車のホームに下りて、レイコは電話をかけた。
「もしもし、お母さん?今日、ユキのとこ泊まってく」
電話を掛け終わると、レイコは僕を見て、「ウソついちゃった」と言って、舌をペロッと出して見せた。
ウチに着く前に、レイコは歯ブラシを買うと言ってコンビニに立ち寄った。
「シュン、あれ、ある?」
「なに?」
「だから、アレ」
レイコの視線の先には、夜のお供となるゴム製品が並んでいた。
レイコに買わせるわけにはいかず、レイコが歯ブラシを買った後、僕は一番小さな箱を掴んでおじさんの店員さんを選んで購入した。
「シュン、もう、ダメだよ。私、おかしくなっちゃう・・・」
レイコは何度も絶頂を迎え、最後の1つを使い切ってティッシュで始末をすると、僕はレイコを抱き寄せた。
「シュン、ありがと。今日、凄く楽しかった」
耳元で囁くレイコの声を聞いて、僕は一層強く抱き締めると、レイコは大きな身体をして、子供のようなあどけない表情のまま、僕の腕の中で眠りに落ちた。